自己検査によるCOVID19抗原検査は正確か?

オミクロン株の流行に伴い、薬局や会社からキットを入手している方は多いと思います。

ご自分で行った検査の結果は正確なのか。

気になるポイントだと思いますので、データを示しながら私の考えをお示しします。


① 自己検査と医療機関検査の違い

自己検査では、

・ キットの精度が不明

・ 検体の採取方法が異なる

という点について考える必要があります。


まず、キットの精度です。キットには”体外診断用医薬品”と”研究用”があります。

精度管理がなされているのは”体外診断用医薬品”のみとなります。ご自身のお手元のキットが研究用である場合は、精度は不十分と言わざるを得ません。


次に、検体の採取方法です。

自己検査では、鼻腔にスワブを2cmほど挿入する”鼻腔ぬぐい”という手法を用います。

更に、5回回転、5秒静置、湿っていることを確認、という基準を確実に満たしている必要があります。

医療機関では”鼻咽頭ぬぐい”という手法で確実に体液を採取する形になります。


② 自己検査の診断精度

では、確実な検体採取の精度管理が自己検査でも実施できたと仮定して、医療機関で行う鼻咽頭ぬぐいによる抗原検査、またはPCR検査との差を見てみましょう。

(参: 新型コロナウイルス感染症 病原体検査の指針 4.1版)

こちらの厚労省の研究によると、自己検査を行って(-)であった場合、医療機関での抗原検査では5/46例(10.8%)、PCR検査では6/48例(12.5%)が(+)となっています。

つまり、(-)で安心していても、実は12%前後が本当は新型コロナウイルス感染者であるということが言えます。

自己検査陰性でも実は陽性が12%。ご家族や会社の同僚と接触することにより、知らないうちにクラスターを発生させてしまう可能性があります。

その後のトラブルなどを考えると、私には高い数字に思えます。

因みに、自己検査で(+)の場合で実は非感染者だった、という確率はPCRで1/43例(2.3%)、2/43例(4.6%)と非常に低いものです。最近話題の「みなし診断」は社会的情勢を鑑みると妥当といえると思います。


このように「自己検査では陰性時の精度が十分高いとは言えない」とデータは示していそうです。しかし、自己検査は簡便に実施できる瀬戸際対策としてはとても有用な手段です。必要に応じ実施を検討してください。

今回の記事が、皆さんのお役に立てば幸いです。

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